スペインのかりんとう★ペスティーニョ


サンセバスティアンの料理学校時代、ピソをシェアしていた友達のお招きでマドリッド郊外への帰省について行った事がある。その時、彼のおばあちゃんが大量に作ってくれたのが「かりんとう」・・いや、「ペスティーニョ」と呼ばれる揚げ菓子だった。

このお菓子が大好物だという友達と一緒に「美味しい~~」を連発して沢山食べた遠慮の無い私。さらに「作り方を教えて下さい」と、図々しくもお願いすると、「明日また作るから見においで」と、おばあちゃん。翌日、友達も道連れにして3人で粉&油と大格闘。大量のペスティーニョを作り、またお腹いっぱい食べたのだった。おばあちゃん、ありがとう。・・しかし、友人宅で無遠慮過ぎるな、私。

その後、料理学校でもペスティーニョを習ったし、買って食べたりもしたが、何れもあのおばあちゃんの味には敵わない。お店の味に足りないもの・・多分それは、おばあちゃんの孫(友人)への「愛情」だったのかなーーと思う。

残念ながら、おばあちゃんのレシピは失くしてしまったが、私も食べ物への愛情と執着を込めて、ペスティーニョを作ってみた。コーヒーにも日本茶にも合う、素朴で懐かしい味のおやつである。

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【ペスティーニョのレシピ】【材料】
【生地】
薄力粉350g、白ワイン125ml、オリーブオイル100ml、塩ひとつまみ、**白ゴマ大さじ2、*アニスシード小さじ1~2(無くても可)、レモンの皮少々。
*アニスシード↓Anís, Matalahúvaなどと呼ばれるスパイス。【糖衣】はちみつ100g、グラニュー糖100g、水200ml。

【作り方】
ボールに白ワインとオリーブオイルを入れて混ぜる。続いて塩、白ゴマ、(アニスシード)、薄力粉を加えてヘラで混ぜる。
最後は手で捏ねてまとめて、油を薄く塗ったボールに入れ、ラップをして30分ほど放置。
台に打ち粉(分量外)をし、②の生地を薄くのばし、5~7cm四方にカットするか、セルクル型で抜く。(写真は直径6cmの型を使用)
両端を真ん中へ重なり合うように折って指で押してしっかりくっつける。
揚げ油にレモンの皮を入れて加熱、中~高温になったらレモンの皮は除く。
④の生地を重ならないように入れて、全体にこんがり色がつくまで揚げる。
(糖衣液をつくる)鍋にハチミツ、グラニュー糖、水を入れて火にかけ、とろみがつくまで煮立てる。
油を切った⑥のペスティーニョを⑦の糖衣液にくぐらせる。
網に乗せて余分な糖衣を落として出来上がり♪
結構たくさん出来ます(汗)・・が、日持ちは2週間近くするそうです。
【セマナサンタのお菓子】
キリスト教の世界では今、「四旬節」というキリスト復活祭の前の40日間(日曜日を除いて計算するので実際の期間日数は46日間)で、その最後の1週間が「セマナ・サンタ」(イースター週間)と呼ばれるイエス・キリスト受難のクライマックス。

スペインにはセマナ・サンタのお菓子というのがいくつかあり、そのひとつがこのペスティーニョ。日本のかりんとう同様、素朴な味わいながら、カロリーは超ヘビー級・・・(汗)。

かつてはセマナサンタに節食するカトリック教徒も多かったそうで、空腹をやり過ごすのに腹持ちのするお菓子をほんの少しつまんで我慢したらしい。そんなわけで、セマナサンタのお菓子には高カロリーで素朴なお菓子が多いのであ~~る。以前ご紹介した四旬節のドーナツ、ブニュエロスも然りでしたね。

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